新CINEMA PARADISO ~MAXハイテンションとはいかず~

ここのところ少し堅い記事が多かったので、久しぶりに映画の話をします。
今年の米アカデミー賞を賑わせた二本、一つは「マッドマックス~怒りのデス・ロード~」、もう一つは「スポットライト」です。

マッドマックスは昨年の公開時、評判は耳にしていたのですが逃してしまい、その後まさかのキネマ旬報外国語映画ベストテン第1位!またしてもやってしまったか・・・と思っていたところ、3月にリバイバルと言うか特別再上映が1週間だけあり、「ダークイト」や「カジノロワイヤル」の二の舞は避けようと時間をつくって観て来ました。
ストーリーは最初のマッドマックス、時代背景はマッドマックスⅡという感じで、さらに狂気度を増した作品と言うところでしょうか。面白かったですが、キネ旬1位にしては、どうなのだろう?というレベルでした。
僕はキネ旬の上位作品は、メジャー映画祭のグランプリよりもある意味価値があると思っているので、結構参考にさせてもらっているのですが、やや期待外れと言わざるを得ないかな・・・という結論となりました。

一方、大メジャー米アカデミー賞作品賞受賞の「スポットライト」、こちらはなるほど素晴らしい!という出来でした。
カトリック教会の神父による児童虐待の組織的隠蔽をボストン・グローブ紙が暴いたという事実に基づく話です。うまいなと感じたのは、事件そのものの露骨な描写がないことと教会側の見えない圧力についての具体的な場面は殆どないにも係らず、”巨悪””闇”に立ち向かっている様が、とてもスリリングに描かれている点でした。脚本がもの凄くよく出来ている証拠だと思います。

話は少しずれるのですが、「闇の子供たち」という映画があります。タイの北部(山岳地帯)で繰り広げられている児童買春や人身売買(臓器移植を目的としたもの等)を描いた小説を阪本順治監督が映画化したものです。
こちらはリアルな描写や目を覆いたくなるような衝撃的な場面も多い作品ですが、とても考えさせられるような映画でした。世界(日本含め)には、まだまだたくさん”闇”は存在し、弱い立場の者や貧しい者たちが苦しさも感じないほどに苦しんでいるのではないでしょうか。ジャーナリズムが本当の正義を示せれば、第二、第三のスポットライトが出てくるのではないかと思います。

ということで、今年はキネマ旬報ではなく、米アカデミー賞が勝利したというお話でした。
しかし「怒りのデス・ロード」というとてつもなくエネルギッシュな作品を作り上げたジョージ・ミラー監督(71歳):撮影当時は69歳位でしょうか、には拍手です!

橋本

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九州での地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。
一日でも早く皆様の日常が戻りますように。

広島にもプロバスケットボールチームがあるのですが、今シーズン最後のホームでの試合が日曜日にありました。
強いチームとの対戦に大奮闘で、延長試合にまで持ち込み、久しぶりに満員に近い観客席は総立ちで大盛り上がりでした。
試合後、選手達による募金活動が行われ、長蛇の列でした。
わが子も、この試合はジュースを買うのを我慢し、募金しました。
熊本出身のプロゴルファーさんたちが行った募金活動は146万円とのこと!
皆さんが少しでもと同じ気持ちになれてることを嬉しく思います。

さて、オリンピック、パラリンピックのエンブレムが決まりましたね。
私は、第一印象地味だなと感じたものの、
とっても日本が感じられる素敵なデザインだと思ったのですが、不平等という声もあがっているそうで。

他3案の色の印象が近い中、ワントーンで落ち着いた色の「A案」が差別化して見える。
通常は、例えば「K・G・l・M」といったランダムな相互の関係性に意味が生じない記号を用いることが適切とされ、この方法によって公平かつ精度の高い調査結果が得られるが、今回は違った。

といった出来レースの疑いです。
たくさんの中からひとつを選び出す、多くの人のために選び出す、には当然ながら選ぶ方法も重要で、選択方法も納得のいくものでないといけないということを改めて思いました。

が、一方、みんながばらばらの事言ったって仕方がないじゃないか。
一般人が選ぶより、選ばれた人が選んだ方が絶対いいものになる、という想いも。
もっとリーダーが国民に慕われるといいですね。。。

清水

ホンモノ

先日、と言いましても結構前の話になりますが、報道ステーションでイチローと野球解説者 稲葉(元日本ハム)の対談が放送されました。
同じ愛知県出身で、高校時代からお互いの存在を知っていた(有名選手であったということです)という仲だけあって、ざっくばらんな対談でした。

その中でイチローが非常に興味深い話をしていました。
内容は、こんなもので、一つは「若いうちにたたかれてた方がいいですよね・・・」言葉尻だけを取り、最近の傾向を当てはめてしまうとパワハラや行き過ぎた指導ということにもなりかねない話ですが、おそらくこういうことではないかと僕は感じました。
ちょっと上手いからといって天狗になっていると結局はそれ以上は伸びず、大成はしない。或いは理不尽と思えるような上下関係があった経験も、ある意味今の成功の糧となっている。

もう一つは、「遠回り(練習等で)をすることのよさ・・・」
イチローは、自己の練習の中で、もの凄く時間を費やして行うものがあるそうです。一見無駄に見えるようなことでも、あとから気付くよさがあるというもので、”遠回りのよさ・無駄の必要性”を語っていました。
僕たちの仕事にとって、効率化はとても重要なもので、実際僕の持論は「無理に苦労をする必要はない・楽に出来ることは楽にしていい」という一見イチローとは異なるものなのですが、その考えの根底は”組織の進化”というものがあるからです。
組織が成長していく過程においては、さまざまな失敗や試行錯誤があり、何らかの基準やシステムが出来上がっていく。故にわざわざ同じ過ちを繰り返す必要はないということなのですが、「情報過多の時代、短縮することが全てではない」と教えてくれたようでした。

実は僕自身もイチローレベルとは言いませんが、同様の経験をした事があります。僕は賃金や人事制度といった仕事を得意分野としていますが、これを学校や研修期間を通して正式に学んだことはなく、故高橋先生から推薦された2冊の本(その後、いろいろと参考にするものはありますが)とOJTにより仕事を身につけていきました。
仕事を始めた当時、それこそ試行錯誤をしながら案件をこなしていっている時期のある時、自分自身にとって画期的なアイデア(考え方)にたどり着いたことがあります。まさに自画自賛の瞬間だったのですが、それからまもなく何かの参考文献でほぼ似たような理論が存在することがわかりました。
その時の僕の感情は、失望よりも嬉しいというものでした。この仕事は法律がバックボーンにあるようなものではないので、正解がありません。その中でたどり着いた一つの結論が、この業界においては優秀なセオリーの一つであると知ったときは、達成感さえ覚えたものです。
つまり簡単に答えや手法だけ教えてもらったり、情報を仕入れておけばよいものもあるが、避けてはいけないものがある。自分で手掛けなければならないもの(身に付かないもの)があるということなのではないかと思うのです。

またこのような話もありました。「失敗やミスの中から学ぶものが多い」「例えノーミスで行きつけたとしても深みがない・・・」「野球選手という作品が出来ただけ」
”深みがない””野球選手という作品”とても面白い表現です。
でもよく分かります!プロ野球選手などは、プロフェッショナルの典型ですが、仕事をしている多くの人間に言えることではないかと思いました。
考えてみれば、僕たちだって人事や労務の専門家(言わばプロ)と言ってもいいわけで、そういう意味では、同じように失敗やミスをおそれ、今以上のことをしないとか、ややこしい事や苦手な事は回避する。また情報等も無料で得ることも出来れば、専門家を相手にした有料サービス等も存在し、簡単に手に入れることが出来ます。これらで武装し、格好つけ、お客さんの前で偉そうにふるまっても中身がなければ何にもありません。
そこに”深み”はない(僕らの業界で言えば、口先だけ・形だけ)ということでしょうか。

苦労や失敗をし、時には注意され(アホな上司は反面教師にすればいいだけです)、腹を立てながらも己の過ちには素直に反省をする。これらを自らに課して出来る人が、本当のプロ中のプロになるのでしょう。
”イチローのように”というわけにはいきませんが、弊社も”深み”のある集団になりたいものです。 (敬称略)

橋本